固化処理とは、特別管理廃棄物等の有害物質による環境汚染の拡大防止、及び、健康被害の防止を目的とした特別管理廃棄物の安定化処理と、特別管理廃棄物の取扱い(可搬性・収納性等)の改善を図る、有害廃棄物の処理処分技術の一つです。
 弊社は、世界的にダイオキシン問題が浮上したことを機に、地球環境を守るため、アスファルトの優れた物性を固化処理技術に生かせないかと長年研究を重ねてきました。
 結果、アスファルトとプラスチックスをバインダーとする有害物質の不溶化固化処理合材を完成させ、その合材を扁平四角形に成形する連続成形装置を開発しました。
 この固化処理技術を【ASP固化処理技法】と称します。

固化処理について(セメント固化処理とアスファルト固化処理)

 固化処理には、セメント固化処理、アスファルト固化処理、プラスチック固化処理、ガラス固化処理等、及び、薬剤等による処理方法がある。
 固化処理は、バインダーの性状に左右されると言われ、上述の固化処理方法にはそれぞれ一長一短ある。

 セメント固化処理は、セメントが扱いやすいことで多用されているが、セメント固化処理合材の乾燥後の固化物が多孔質であるため、自然環境水が透水して有害物質の溶出した汚染水が発生し、埋立処分場のどこからか漏洩して、処分場近隣には環境汚染と健康被害の懸念が永久に残る。

 アスファルト固化処理は、アスファルトの優れた物性(強粘着性・延展性・撥水性・緻密な粒子等)で有害物質を抱覆(グリップ)し、その粒子が相互接着し、撥水性の固化処理合材となり、自然環境水が透水することがないので、セメント固化処理のような有害物質の溶出による汚染水が発生することがなく、環境汚染の懸念がない。

 バインダーとしてアスファルトはセメントよりも優れているのに、アスファルトの取扱いの難しさで固化処理装置の開発が遅れていること等で、アスファルト固化処理は殆ど普及していないのが現状である。
 しかし、原子力発電所では、発電所内で発生する低レベル放射性廃棄物の固化処理に優れた抱覆力(グリップ力)を持つアスファルトが使われている。(アスファルト混錬エクストルダー抽出処理機⇒ドラム缶封入)

『ASP固化処理技法』の開発

 当社は、アスファルトとプラスチックスをバインダーとして、一般廃棄物特別管理飛灰に調合材等を配合して加熱混錬し、アスファルトが充分に抱覆された固化処理合材製法を確立した。さらに、この固化処理合材を圧接しながら自動的にブック形に成形する連続成形装置(ASP固化処理装置)を開発した。

★原子力発電所内の抽出エクストルダー処理機より、ASP固化処理装置は簡易で安価。

『ASP固化処理技法』システムブロック図

ASP固化処理フローチャート

公的評価

特許: 特許第6071059号

名称: アスファルトとプラスチックスをバインダーとする合材の成形法とその装置

  • ASP固化処理技法は、特別管理有害物質類やダイオキシン・PCB等の有害化学物質・プラスチックやアスベスト類及び低レベル放射性廃棄物が自然環境水に溶出・流散する等の拡散を防ぐ、アスファルトとプラスチックスをバインダーとする不溶化固化処理合材化技術。
  • ASP固化処理技法は、上述有害物質をアスファルトとプラスチックスをバインダーとして不溶化固化処理合材にし、その合材を扁平四角形の固形物に一滴の水を使わず、連続して成形する固化処理固形物化技術。
  • 他の固化処理(特にセメント固化処理)のように、汚染水が発生することはない。

ASP固化処理技法の主なる特徴

  1. 固化処理合材固形物は、撥水性で自然環境水が透水できない
  2. 有害物質と自然環境水が接触しないため、汚染水が発生しない
  3. 加熱混錬された固化処理合材を、規格した扁平四角形固形物にできる
  4. 固形物に仕上がるまでセメント固化処理のような養生負荷がない
  5. 可搬性・収納性に優れている
  6. 再利用負荷が少なく、再利用が容易
  7. 放射性物質からの放射線も遮蔽減衰できる
固形物(サンプルの為有色)

固形物(サンプルの為有色)

ブック型に固形物化されたASP固化処理合材固形物は、撥水性のアスファルトとプラスチックスで包覆(グリップ)されており、自然環境水が透水しないため、汚染水の発生する心配がない。

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