【ASP固化処理技法】により、特別管理廃棄物や低レベル放射性廃棄物をアスファルトとプラスチックで固化処理し、自然環境水が透水できない固化処理合材にして、その合材を扁平四角形固形物に成形することで、自然環境水の透水による有害物質の溶出した汚染水が発生しない、最終固化処理処分技術が実現できた。

廃棄物の最終処理処分技術の一つのステップになる。

 特別管理一般廃棄物飛灰の固化処理合材を埋立処分する管理型最終処分場は、埋立てられた固化処理合材に自然環境水が透水して汚染水が発生する。汚染水は、埋立処分場の構造で捕獲集荷され水処理後放流するシステムで管理されている。しかし、埋立処分場の近隣で、土壌汚染や地下水汚染・河川水汚染が多く観測され、環境破壊と健康被害の懸念が高まっている。
 原因は、管理型最終処分場で汚染水が副産されることに加え、処分場のどこからか汚染水が漏洩することにある。

 上述のごとく、埋立方式の最終処分場が、環境破壊と健康被害の起源になっていることは、一般廃棄物や産業廃棄物の最終処理処分技術の開発を急ぐ必要性の警告である。

 人類が生きていくうえで、必ず発生する生活ゴミの処理処分問題は、永久に続く問題である。循環型社会形成推進基本法(平成12年6月2日交付)で、発生する廃棄物を少なくして(リデュース)、再使用して(リユース)、再利用(マテリアルリサイクル)、再利用(サーマルリサイクル)することを、国民を始め行政及び関係機関の必須事項とした。
 上述のような反循環型社会構築の迷惑施設である埋立処分場の将来について考える時期が来ている。同時に、最終処分場の枯渇問題、最終処分場の新設問題が浮上している。

 【ASP固化処理技法】による固形物は、生活ゴミ等廃棄物の最終処理処分技術に一考を投じ、固形物の再利用に関する技術開発の基になると確信する。

 各分野について記述する。

一般廃棄物について⇒⇒⇒特別管理一般廃棄物飛灰の処理処分

 我々の生活で発生するする生活ゴミ(一般廃棄物)の処理処分は永久に続く問題である。 家庭から出る一般廃棄物は市町村の責任で収集・運搬・処理・処分が行われている。その過程中、減容化の焼却処理で発成する一般廃棄物特別管理飛灰は、ダイオキシン類や有害重金属類を含んでいるため、固化処理等をして管理型最終処分場に埋立処分されている。
 しかし、埋立処分場近隣では、有害物質含有基準値を超える地下水が観察され、埋立方式の最終処分場が、環境破壊と健康被害の起源になっている懸念が高かまっている。
 このことは、一般廃棄物や産業廃棄物の最終処理処分技術への黄信号である。

 各市町村は、その最終処分場残存埋立量の枯渇問題と、最終処分場の新規建設が諸般の事情で極めて難しい問題に直面している。

 【ASP固化処理技法】は、これらの飛灰を固化処理し有害物質が溶出しない安定した固形物にするので、埋立式の管理型最終処分場に代わる最終処分法も可能にする。

  • 最終処分場で困窮している市町村数=305市町村
  • 埋立処分を止めた市町村=3市町村
焼却設備とASP固化処理装置の併用図
特別管理一般廃棄物飛灰の【ASP固化処理】

低レベル放射性廃棄物⇒⇒⇒原子力発電所等・廃炉作業

 東北大震災により飛散した放射性物質が、約400市町村の一般廃棄物特別管理飛灰より観測された。
 この飛灰の処理に関して、環境省は8000ベクレル以下の物については、従来とおり管理型最終処分場に埋立処分してもよいと通達したが、地元住民は一握りといえども、放射性物質を埋立てることは,子孫に言い訳が立たないと反対し、大部分が埋立てられず保管されている。

 原始力発電所や原子力関係機関から発生する低レベル放射性廃棄物は、固化処理され、ドラム缶に封入後、六ケ所低レベル放射性廃棄物埋設センターに浅地保管している。
 六ケ所低レベル放射性廃棄物埋設センターも満杯となり、各原子力発電所など発生場所で保管している。
 今後始まる長期にわたる廃炉作業により、多量の低レベル放射性廃棄物が発生する。

【ASP固化処理技法】は、これらの低レベル放射性廃棄物を固化処理固形物化して、発生場所でクリアランスレベルまで保管し、再利用することを提言する。

原子力発電所の低レベル放射性廃棄物の保管状況低レベル放射性廃棄物埋設センター

低レベル放射性廃棄物のドラム缶

出典 原子力教育を考える会

【ASP固化処理技法】による固形物の保管イメージ図

産業廃棄物について⇒⇒⇒循環型処分場の再生事業

 廃棄物とは、占有者が自分で使用したり、他人に有償で売ることができないために不要となった固形状物又は液状物である。
 廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分類される。法的には、事業活動によって生じた20種類の廃棄物を産業廃棄物として、それに該当しない物を一般廃棄物とする。

  • 産業廃棄物の発生量は、約4億トン/年。
  • 内容は、汚泥物、動物の糞尿、がれきで約80%を占める。
  • 産業廃棄物は下記の割合で処理処分されている。

   再生利用=約42%

   減量処理=約43%

   最終処分=約14%

 事業系一般廃棄物は、環境汚染上の問題が少なく、市町村の焼却炉で焼却処理される。また特別管理産業廃棄物は微量でも固化処理などをして処分しなければならない。

災害廃棄物について⇒⇒⇒災害による可燃性廃棄物の処理処分

 大雨や地震津波や大雨による災害により、膨大な廃棄物が発生する。災害廃棄部という。災害廃棄物は、産業による廃棄物ではないので、一般廃棄物として各市町村が処理処分する。

可燃系混合物
出典 大規模災害時の災害廃棄物対策の記録

東北大震災について⇒⇒⇒飛散した放射性物質早期収束に一考

 平成23年3月11日発生の東日本大震災による、東京電力福島第一原子力発電所の水素爆発で大量の放射性物質が放出した。この放射性物質の収束が急務の課題であるが現状は困窮している。
 国策の、一時保管用中間貯蔵施設の建設、福島県外に作る放射性固化処理物最終処分保管場建設は大幅に遅れ、実現が危ぶまれているのが現状である。

 アスファルトは、放射性物質を包覆(グリップ)して拡散を防止し、放射線を減衰させる優れた能力があることは知られており、当社の開発してきた【ASP固化処理技法】は、放射性物質に汚染されている細破片及び粉状焼却灰・ゲル状汚泥物等の低レベル放射性廃棄物の安定化固化処理に一考を与える技術である。

【ASP固化処理技法】は、セメント固化処理が副産する放射性汚染水が発生しない。

  • 固化処理工程設備が簡易
  • 固形物の保管が簡易
  • 搬送が簡単
  • 放射性物質汚染飛灰を袋詰めで保管している市町村数=469市町村
  • 除染汚染フレコンバッグ数=2200万袋
  • フレコンバッグ保管場所=137,000ヶ所
  • フレコンバッグ仮置き場=1100ヶ所

フレコンバッグの仮置き状況

フレコンバッグが破れいている
出典 BIGLOBEウェブリブログ

再利用について⇒⇒⇒道路舗装材の原材料等

 【ASP固化処理技法】の固形物使用材配合は、グースアスファルトの配合に酷似している。約13%のアスファルトが含まれているので加熱混錬して、使用目的の骨材調合でアスファルト舗装材となり、道路用舗装材として再利用可能。

海洋投棄・漁礁材等可能

  • 歩行者系舗装材
    歩道や公園などの場内遊歩道
    レクレーション用遊歩道
    レジャー用遊歩道(海釣り者用歩道)
  • 一般道路舗装材
    道路用アスファルト再利用品に利用
  • 橋梁用舗装材
    薄く死荷重の小さい添付式橋梁用舗装材 
  • 放射性物質を含んだ固形物
    クリアランスレベル後再利用、道路用舗装材や橋梁用舗装材に利用
    漁礁材としての複合材利用(比重は2~2.2g/㎤で透水しない。)
  • 海洋投棄・漁礁材等
    固形物の比重は2.1~2.3g/㎤で海洋投棄可能
    漁礁の複合材
    構築物への利用
新富町 国道10号線歩道橋
新富町 国道10号線歩道橋

管理型最終処分場について⇒⇒⇒循環型処分場の再生事業

 埋立方式の最終処分場は、自然を破壊して建設し、埋立処分された処分場は、有害物質を含んだ汚染水が発生し、汚染水は処分場のどこからか漏洩し、処分場近隣の土壌を汚染し、地下水を汚染し、環境破壊と健康被害の起因となっている。

★環境破壊と健康被害の源基を、循環型社会構築の理念に逆らって、わざわざ作っていると言っても過言ではない。

 【ASP固化処理技法】は、枯渇する最終処分場の延命策として実施される『掘起し再生事業』や『埋戻し再生事業』の有害物質固化処理に、汚染水を発生しない固形物にする技術として利用できる。
 【ASP固化処理技法】の固形物を利用することで、固形物保管部分の改修も簡易で安全な管理型最終処分場に再生することが可能となる。
 保管された固形物は取り出して、道路舗装材に混入して再利用可能である。

循環型社会の形成⇒⇒⇒循環型社会構築に一考

 一般廃棄物特別管理飛灰等を、【ASP固化処理技法】で固形物にして道路舗装材や港湾の桟橋・橋梁と側道等に再利用することで、循環型社会構築に貢献できると提言する。

 人類の生活により発生する一般廃棄物の処理処分は永遠に続く。この廃棄物を一部でも資材として再利用する最終処理処分技術の開発が急がれる。
 最終処分方法として、埋立方式の最終処分場が約1800ヶ所位作られた。これら最終処分場近隣で、土壌や井戸水などの有害物質含有量が基準値を超えている観測が多く報告されている。
 埋立てられた廃棄物が自然環境水に触れ、溶出して汚染水が発生し、処分場のどこからか汚染水が洩出して土壌を汚染するのが原因であることは明白である。
 埋立式最終処分場は、処分場近隣の環境を破壊し、健康被害をもたらす起因になっている。

 【ASP固化処理技法】の固形物は、アスファルトを約13%含んでおりグースアスファルトの配合に似ている。加熱すれば道路舗装材として再利用可能である。
 有害物質の各粒子は、アスファルト粒子で強固に包覆(グリップ)され、各粒子が相互接着して固形物を形成しているので、セメント固化処理物のように、粒子が剥離して単独で流動することはない。

 【ASP固化処理技法】で一般廃棄物特別管理飛灰等を固形物にして、道路舗装材などに再利用する技術を開発すれば、循環型社会成形に貢献できると提言する。

循環型社会成形に貢献

  • 我々の生活から毎日発生する生活ゴミに含まれる有害物質を、【ASP固化処理技法】で固形物にして、その固形物を再利用する
  • 自然を破壊して作る『埋立処分場』に一考を
  • 固形物の複合材応用(漁礁・構築物等)
  • 海洋投棄

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